触れられた瞬間、勝手に力が抜けた
Kコーチと離れたあと、わたしは新たな師匠と出会うことになりました。
整体のT先生です。
そこでの体験が、わたしにとっては、人生で最大級の衝撃でした。
T先生が、わたしの腰椎や身体のあるポイントに、そっと触れました。
その途端、
勝手に、余分な力みが外れて、動けたのです。
ここで大事なのは、「勝手に」というところです。
わたしは何も意識していませんでした。 力を抜こうともしていませんでした。
それなのに、自分の意思とは関係なく、勝手に力が抜けて、自分でも見たことがないスイングをしていました。
これまでのわたしは、何年もかけて、力を抜くことを「意識」してきました。
それが、触れられただけで、一瞬で起きた。
わたしであり、わたしではない何かが、自分の中にいる。
そのことに氣づいた瞬間でした。
身体に眠る、進化の回路
T先生に教わったそのポイントは、整体の「調律点」というものでした。
そこから、T先生が発案した「進化体操」を学ぶ中で、わたしはひとつひとつ体感していくことになります。
自分の身体の中には、人間になるまでの進化の回路が眠っている。
魚だった頃、両生類だった頃、四足歩行だった頃。 生命が積み重ねてきた何億年もの動きの記憶が、わたしたちの身体には刻まれているのです。
テニスをしていても、身体が先に動いて、後から「こんなプレーできるんだ!」と驚くような体験が増えていきました。
身体が先、思考が後。
これは、それまでのわたしの常識と、完全に逆でした。
5%と95%
そんな体験を何年も重ねていたある日、知り合いからすすめられた一冊の漫画がありました。
『サイレントナイト翔』という作品です。
そこには、こう書かれていました。
人間脳が5%、人間以前の動物脳が95%。
そしてそれは脳だけではなく、不可解とされているDNAの95%=人間以前の進化の回路である、と。
わたしがT先生から教わり、体感していたことと、この言葉が一致しました。
この5%と95%は、顕在意識と潜在意識の関係にもつながると思いました。
ここで、試合で力が入っていた理由が、ようやく解けたのです。
意識できるのは、自分の想定内のことが起きているときだけ。
自分より格上の相手と対戦すると、想定外のことが起きる確率が上がります。
想定外の瞬間に、人は意識することができません。
だから、いつまでも「意識する練習」だけをしていても、その壁を乗り越えることは不可能だったのです。
足りなかったのは、努力ではありませんでした。
アプローチする場所が、違ったのです。
意識できる領域(顕在意識)は、全体のたった5%。 意識できない領域(潜在意識)は、全体の95%。
これは、思考5%、身体95%とも言い換えられると思います。
だから、無意識(=身体)に、ダイレクトにアプローチする必要があるのです。
あなたがこれまで報われなかったのは、5%の領域で頑張り続けてきたからかもしれません。
残りの95%は、まだ手つかずのまま、あなたの中に眠っています。
今日からできる小さな一歩
今日、寝る前に布団の上で、ゴロンと寝転がって、赤ちゃんのように意味もなくモゾモゾと動いてみてください。
「正しい動き」は一切考えなくて大丈夫です。 身体が動きたいように、動かせてあげる。
それだけで、95%側との対話が始まります。
