この物語を読み始めてくださったあなたは、きっとこれまで、たくさんのことを試してきた方だと思います。
わたし自身も、病院に行きました。 リハビリにも通いました。整体も、マッサージも、トレーニングも、ストレッチも。 本を読み、動画を観て、いいと言われたことは、ひと通りやってみました。
それでも、良くならなかった。
もしかしたら、こんな言葉をかけられたことがあるかもしれません。
「続けていれば、そのうち良くなりますよ」 「筋力が足りないんです」 「歳のせいもありますね」
そのたびに、自分に言い聞かせてきたのではないでしょうか。
もっと頑張らなきゃ。 わたしの努力が足りないんだ。
最初にお伝えしたいことがあります。
あなたは、頑張りが足りないわけじゃありません。
むしろ逆です。 頑張りすぎるほど頑張ってきた。 真面目に取り組んできた人ほど、報われない苦しみを抱えている。
わたしは、そのことを知っています。
なぜなら、わたし自身がそうだったからです。
15歳で右肩を痛めてから、8年間。 わたしは「リハビリ難民」でした。
病院を転々とし、言われたことを真面目にこなし、それでも痛みは消えるどころか、増えていきました。
その8年間の絶望と、そこからの転機。 そして、いま確信していること。
この物語でお伝えするのは、「もっと頑張る方法」ではありません。
「頑張らなくても変わる仕組み」が、あなたの身体には最初から備わっているということです。
その仕組みに出会ったとき、人の身体に何が起きるのか。
首にコルセットをつけて、車椅子でやって来られた難病指定の方が、コルセットを外し、自分の足で歩いて帰った日のことを、この物語の中でお話しします。
日本代表の選手が、その場で自己ベストを更新した話も。
でもその前に、ひとつだけ、わたしの原点をお話しさせてください。
幼稚園の運動会でのことです。
わたしは、走り縄跳びを披露することになっていました。 でも、なかなかできませんでした。
幼稚園から帰っては、母と一緒に練習を重ねました。 母は文句ひとつ言わず、ずっと付き合ってくれました。
できるようになったのは、前日でした。
そして当日。 わたしが走り縄跳びを披露すると、先生が運動会の放送で言ってくれたのです。
「まさとくん、できるようになりました」
母が喜んでくれました。 まわりのたくさんの人が、喜んでくれました。
できなかったことが、できるようになる。 そして、それをまわりの人が一緒に喜んでくれる。
あの日の喜びが、いまも、わたしの活動の原点にあります。
この物語を通じて、あなたに届けたいのは、知識ではありません。
あの喜びです。
何歳からでも、どんな状態からでも、遅すぎることはありません。
それでは、始めましょう。

